傘と履物
東京渋谷駅前
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河原履物店は渋谷区上通3丁目(現・宇田川町)にあった。
(724夜)
6月19日(火)池忠 深川宅に来る さうだん夕めしをくって 東京劇場で暗闇丑松を一幕立見するイングリッシュ茶房でつめたい紅茶(小津安二郎日記「1934(昭和9)年」)
六月十六日 日 晴昼、弥生、雪子と広小路風月食事。円タクで鴻の台へドライブ。堀切、千住を経て上野へ帰り、地下鉄で新橋まで。千疋屋で喫茶。(寺田寅彦日記「昭和十年」)
仁王門近く、もと奥のときわと云って、ときわ全盛時分は相当名を売ったものです。奥へ深く庭園も立派なものです。今は大増に変って、日本料理、うなぎ等、落ついて食べたい家族連れ等に手頃の場所。なほ入口には御軽便食堂があって、日本定食(五十銭)。(白木正光編『大東京うまいもの食べある記 昭和八年版』)
六月十日 日 晴弥生、雪子は成蹊記念日へ、小林さんに誘われ行く。しんと二人ばら新に行き、二種買う。上野駅地下で昼食。三越に行き、京都工芸美術展見る。帝劇へ「ドンキホーテ」見に行く。(寺田寅彦日記「昭和九年」)
みやこの通りを区役所通りに抜ける角店の堂々たる甘味ホールで、婦人子供達の浅草遊覧プログラムには、向ひ側の舟和ミツマメホールと共に屹度(きっと)加へられる程に人気ものになりました。喫茶、しるこ、雑煮、甘酒、サンドウヰッチ、のり巻等の類がなんでも安く食べられます。(白木正光編『大東京うまいもの食べある記 昭和八年版』)