MILK PARLOUR
TEA&LUNCH
MIHARU
YOSHIWARADOTE
SHINMEICHOSHAKOKIWA
(786夜)
区役所裏、伝法院前角店。一般家庭人の一番這入りよい天婦羅屋として、すっかり売込んで仕舞ひました。もとはそば屋風の家でしたが、立派に改築し、現在は下が食堂、二階お座敷、天丼(五十銭)が丁度手頃で喜ばれるのです。天婦羅のほか小料理も出来ます。(白木正光編『大東京うまいもの食べある記 昭和八年版』)
追込みのほか離れ、別室も沢山あって、家族連れには一番煩はしさが少く、落着いて食べられます。味も上々ですが、その代りつい食べ過ぎて予算のはみ出すおそれがあります。(白木正光編『大東京うまいもの食べある記 昭和八年版』)
北海道の札幌を故郷とする薬剤師で、長いこと支那へ行って居た佐々木恵三君であることが、直ぐ私の記憶の底から蘇ってきた。(中略)「浅草の広小路から、六区の方へ出る北仲町ね。あの食通新道と狸横町の角店で、今年の四月から開業して居るんですよ。朋聚亭を支那読みにポンチューテン――」(松崎天民『銀座』)
仁王門に近く甘党にはお馴染の深い角店で、もとは数寄屋風瀟洒な構へでしたが今はコンクリートの甘味ホール式腰掛けになりました。(白木正光編『大東京うまいもの食べある記 昭和八年版』)