おでん 小料理 いろゝゝ
ぎんざ西八丁目
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三幸は京橋区銀座西8丁目(現・中央区銀座8丁目)にあった。
(421夜)
8月24日(土)坂本五所組と重りこの日中止かつちんぐ 少しくやる夕方より 荒田 良輔と富士の里 東京茶房による牛込に行き 久々におふくろに会ふ ライカにて赤ん坊を写す(小津安二郎日記「1935(昭和10)年」)
八月十六日。雨ふりつゞきたれど空あかるく風なし。終日書筐を整理す。六時頃銀座尾張町に至り竹葉に入らむとする時空俄に晴れ虹あざやかに三越の建物を隔てゝ東の空に現はるゝを見たり。行人皆傘をつぼめ佇立みてこれを見て喜ぶ。(永井荷風 断腸亭日記「昭和十年」)
テアトル・コメディの仲間がよく行く店は「コロンバン」のほかに草野心平の弟さんがやっていた「ラテン・クォーター」とか、紀伊国屋の二階にあった「文化学院クラブ」などがあり、新宿では「中村屋」の居心地がよかった。(長岡輝子『ふたりの夫からの贈りもの』)
8月6日(火)ろけゐしよん中止夕刻 大森松浅分店にて 吉田 茂原と相談池田忠雄より 電話にて丸善で会ふ風月堂にて 水羊羹 ワッフル犀星発句集を買ふ(小津安二郎日記「1935(昭和10)年」)
8月3日(土)久々に井阪栄一上京東京駅にて会ひ 吉田与三(蔵)の会社に行く途上 与三(蔵)に会ふ天金にて天婦羅をくふ 白雨 車にて箱根に向ふ 清風による 土曜日にて何処も満員なり 湯本住吉に泊▲何処にか夕立ありし冷奴▲百日紅の花のさかりや片かげり(小津安二郎日記「1935(昭和10)年」)