銀玉
銀座三丁目松屋向ウラ
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李起東が開業したカフェー・銀玉は、京橋区銀座3丁目(現・中央区)にあった。
(237夜)
二月十八日 土朝、明治製菓の竹内来、玄関迄。会わず。昨日、香取氏に頼んでおいた後の百円届けてくれた。午後、文春、話の「琴曲の名人」の原稿書きかけた。午後、村山さそいに来。ち江をつれて三人で日比谷公会堂の都新聞の三曲の会へ行く。夕方七時過、帰る。村山も寄りて夕食。(内田百間日記「昭和十四年」)
数多い銀座のカフェの中で、コロンビヤ位特色のある店はない。女は、どれもこれも洋装である。(小松直人『Café jokyû no uraomote』)
二月十一日 木 曇昼、三越で散髪、食事。ヤマトと銀水で球つき。夜、水口氏来。クロイツェルソナタ、第一楽章一順修了。夜、満州からの放送。◎建国祭。朝、薄氷を見る。当冬初めてなり。(寺田寅彦日記「昭和七年」)
二月三日 金午後、四谷郵便局によりて散髪。宮城へ廻り、一昨年の暮に宮城出入りの鶴川から持って来た琴の代九十円の内、五十円払った。夕、大井、汽車弁当を持って来てくれた。それを食べて仁壽講堂の米川文子の会へ行く。帰りに村山、大井、河東と共に、梅林と云う銀座の豚カツ屋へ行った。(内田百間日記「昭和十四年」)
二月二日 火 晴昼、高嶺君と東洋軒会食。呉服橋クラブで同君に球のコーチ。夜、順、溝淵へ呼ばれ、東一の事で相談ありし由。帰途立ち寄りいろいろ話す。帽子を間違えて行く。(寺田寅彦日記「昭和七年」)