昭和13年9月2日浅草を歩く。てんぷらの三定の隣りの玩具屋には、おもちゃが溢れている。子供のころこの店の前で、ゼンマイ仕掛の昆虫や刀を欲しがって、父母を困らせてものだ。ひょうたん池の樹の下で、鯉や緋鯉の遊泳を見た。(吉岡実『うまやはし日記』)