Cafe Printemps
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カフェー・プランタンは、明治44年に京橋区日吉町(現・中央区銀座8丁目)で松山省三と平岡権八郎が創業した。大正12年の関東大震災で店舗を焼失したのちに、南金六町(現・銀座8丁目)で営業を再開した。
昭和10年にカフェー・プランタンの店名は、茶房ル・プランタンとなった。
プランタンの松山君は、白馬会での私の先輩であった。松山君はあの長いからだと顔とをよく研究所へあらわし、ブラブラとしていたものであったが、物にこだわらず、しゃしゃとしている風格は今も昔も変りない。プランタンの出来る時は友人の石川伊十君や岡本帰一君などと手つだいに行ったりしたのを覚えている。(岸田劉生「新古細句銀座通」)
(182夜)