MARCUS SHOW 来朝
紐育美人全裸一百余名
花の三月・日本劇場公演
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アメリカのバーレスク・レビュー座〈The A.B.Marcus Revues〉の「マーカス・ショウ」(Greater Marcus Show of 1934)は、昭和9年3月1日に日本劇場で開幕した。
ショーの演目はバーレスク “La Vie Paree” のほか、 “Broadway Merry-go-Round” “Fantasies of 1934” が演じられた。
ある日曜日の朝顕著な不連続線が東京附近を通過していると見えて、生温かい狂風が軒を揺がし、大粒の雨が断続して物凄い天候であった。昼前に銀座まで出掛けたら諸所の店前の立看板などが吹き飛ばされ、傘を折られて困っている人も少なくなかった。日本劇場の前まで来て見ると、さすがに今日はいつもの日曜とちがって切符売場の前にはわずかに数人の人影が見えるだけであったので急に思い付いて入場した。二階の窓から狂風に吹き飛ぶ雲を眺めながら考えるともなく二十年前に見たベルリンのメトロポール座のレビューを想い出していた。(寺田寅彦「マーカス・ショーとレビュー式教育」)
(617夜)