北海道の札幌を故郷とする薬剤師で、長いこと支那へ行って居た佐々木恵三君であることが、直ぐ私の記憶の底から蘇ってきた。(中略)「浅草の広小路から、六区の方へ出る北仲町ね。あの食通新道と狸横町の角店で、今年の四月から開業して居るんですよ。朋聚亭を支那読みにポンチューテン――」(松崎天民『銀座』)