寺田セトモノ店
浅草小島町(明神通り)
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浅草区の明神通り(現・台東区 鳥越明神通り)一帯は、江戸開府の以前より鳥越の里と呼ばれていた。
鳥越の里鳥越明神の辺より大倉前(おおくらまえ)の辺までをいへり。『北条家分限帳』に、富永善左衛門江戸鳥越村の内を領するよし記せり。堯恵『北国記行』〔一四八七〕に、文明十八年〔一四八六〕十二月二十三日、隅田河の辺(ほとり)鳥越といへる海村に、善鏡といへる翁あり。かの宅に笠やどりして、閑林にあがめ置きたる金光寺に在宿しはべり。同十九年〔一四八七〕元日に、をさまれる波をかけてや筑波根のやまとしまねに春の立つらん 堯 恵(『江戸名所図会』巻之六 開陽之部)
(178夜)