大阪喜久乃家直系の家で、云ふ迄もなく関西料理。一品二十銭乃至三十銭程度ですが、驚くのはこの家の雑作で、全部大阪から取寄せ大工、左官は勿論、砂壁まで大阪から運んだと云ふ凝り方、階上も畳敷きの広間のほかはボックス風に小さく仕切った腰掛け式です。(白木正光編『大東京うまいもの食べある記 昭和八年版』)